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「よく生きる」

自称辣腕経営者が人間や社会について淡々と語ります。代官山と港区海岸のタワマンに住んでいます。京大法学部在学中には有名予備校で講師をしていたので、外国語や教育について特に関心があります。

勉強や読書の面白さ

私が勉強や読書の面白さを感じる時というのは、

 

現象の背後原理が見えた時

現在の価値観を相対化できた時

 

です。

 

例えばこないだお話しした話ですが、「仕事が生きがい」という価値観や「人生は仕事」という価値観がいかに皮相な考え方か、というのは現代の日本社会に生きているとなかなかそこに違和感を感じる事はありません。

 

日常レベルで「私仕事が大好きなんですよ」という人を悪く言う人はまずいないでしょう。

 

しかし、マックスウェーバーやハンナアレント、アリストテレスといったレベルの古典にさかのぼることによってそもそも「仕事が重要」という価値観は産業革命や資本主義といった歴史的に特殊なマイルストンによって生み出された「一時的な価値観」だとわかります。

 

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また、フィリップアリエスの『子供の誕生』を読めば、そもそも近代以前には「子供」なる概念はなかった、という衝撃の事実を知ることになります。

 

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近代以前に子供は「小型の大人」であり、子供の権利も学校教育もありませんでした。

 

 別にここでこれらの具体例について深く言及するつもりはなく、ただ単に私が言いたいのは以下のシンプルなテーゼです。

 

私たちが「当たり前」だと思っている事は、地理的歴史的な観点からするとまるで「当たり前」ではなく、極めて限定的な価値観でしかない。

 

私が言いたいのはこの一点です。

 

勉強や読書をすることによって、普通に当たり前だと思ってることが当たり前ではなくなります。

 

そして嫌な言い方ですが、「普通の人」より高いところから世界を俯瞰することができます。

 

これもマウンティングと言ってしまったらそれまでですが、人間には高いステージから世界を理解したいという本能があるように思います。

 

人はなぜ高いところに登りたいのか?

 

これもつまるところ、高いところに登ると周りがよく見えて生存に有利だからでしょう。

 

同じように、「ものを知る」という事は、「高み」から世界を理解することを可能にします。

 

なぜ勉強や読書が楽しいのか?

 

と子供に聞かれたら、

 

「君が普段当たり前だと思っていることが実は当たり前じゃないってわかるってすごく面白いことだと思わない?」

 

と私なら答えるでしょう。

 

ちょっとかっこよく言えば、

 

学ぶことにより思考が相対化される

 

わけです。

 

ちょっと文系ネタを中心に話してきましたけど、物理や化学なども本質的には同じ目的を共有しています。

 

「普通の目」で見たら、原子核も陽子も見えません。

 

「加速度」も目で見ることはできません。

 

しかし、物理や化学で習うタームを用いれば、「物質の動きや構造」といった独特の視点から世界を解釈することができます。

 

それを知らない人間とは世界の見え方が変わります。

 

特に文系の人間が高校レベルの物理や化学を学ぶ目的は一つだけです。(なぜならば、高校の教科書レベルの物理や化学の知識などはそれ自体では何一つ実用レベルではないからです)

 

それは、

 

世界のひとつの解釈の仕方として、全ては極めて小さい原子や分子といった世界から構成されていて、あらゆる物体の動きは、質量や加速度、抗力、摩擦係数といった「ターム」を用いることによってクリアに理解されうる

 

ということを具体例を用いて把握することにあります。

 

すごく極論を言うと、このたった一つのことがしみじみと骨に染み込めば、細かい計算や公式などは忘れてしまってもいいのです。(理系の研究者になる人とか以外は)

 

こういった「世界の理解の仕方」を手に入れることにより、それを知らない人間とは明らかに「モノの見方」が変わるのです。

 

勉強や読書の面白さは、究極的には「モノの見方が変わること」と言って差し支えないでしょう。

 

そして不遜ですが、私も自分が勉強して手に入れた「面白い物の見方」を出来る限り皆さんにお教えしたいと思っています。

 

面白いものはみんなで楽しみたいからです。

 

(そして、私がそれらを教えることによって自分が優越感を感じられるというスケベ心もないわけではない事は否定できませんが。笑)

 

※youtubeで教養講座を収録しています。興味がある方はご覧になってください。

https://youtu.be/sLOR3idL9dE