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「よく生きる」

自称辣腕経営者が人間や社会について淡々と語ります。代官山と港区海岸のタワマンに住んでいます。京大法学部在学中には有名予備校で講師をしていたので、外国語や教育について特に関心があります。

TOEICの攻略法(ア)

カトハヤ

1 TOEIC総論


このポストでは、TOEICの点数の上げ方について皆さんにお役にたつ方法を特別に伝授いたします。

私は現在英語とは全く関係のない仕事をしている経営者ですが、

留学経験なしの国内学習のみで英検1級とTOEIC950点を取得しましたし、京都大学法学部在学中には有名予備校で教鞭をとっていた

ので、私の言ってることはそれなりにまともであると信頼していただいて結構です。(最終的に判断するのは皆さんですが。)


ご存知の通り、英語力を図る指標としてTOEICはものすごくポピュラーな試験であり、TOEICを制するものは英語を制すると言っても過言ではないでしょう。

よく「TOEICで点数が取れても話せるとは限らない」と言われますが、そうは言ったところで現実に英語力の指標として用いられている以上それを無視することはできません。

また、

「TOEICで点数が取れても話せるとは限らない」という指摘は半分当たっていますが、「TOEICでまるで点数が取れなければ絶対に英語が話せない」とは言えます。


ちょっと難しい言い方をすれば、TOEICは英語が話せるための十分条件ではないですが必要条件にはなっているのです。

私の肌感覚で言っても、英検準1級やTOEIC800点程度すら取得できないのに英語がベラベラ話せて英字新聞が読めるような人はまずいません。(もちろん英検準1級やTOEIC800点程度で英語ができない人は山ほどいますけど。これが必要条件ということです。)

また、

「TOEIC900点で全然話せない人」は半年ぐらい集中的にトレーニングをすればすぐに話せるようになります。


なぜならば、語学はインプットとアウトプットのバランスが重要ですが、TOEICのようなインプット中心の試験でしっかりと結果が出ている人は、アウトプットに移行した時に必ず結果が出るからです。

東京大学、早稲田大学、慶応大学などのいわゆる一流大学の出身者で確かに英語が話せない人は山ほどいますが、そういった方も半年から1年ぐらい本気でトレーニングをすればすぐに英語が話せるようになります。

これも大学受験で圧倒的に英語をインプットしてるからです。

英文の構文レベルや語彙に関しては、東大京大早稲田慶応の英語の入試問題の方がむしろTOEICよりもずっと難しいので、やはり大学受験の英語でしっかりと基礎を固めている人間は、英会話でもTOEICでも圧倒的に有利です。

「受験英語は無駄」といった意見もありますけど(そもそも私にはどんぶり勘定で「無駄」という意味がよくわからないのですが)、「インプットは最高レベルに達している」という意味で、大学受験の英語の学習が無駄だとは到底思えません。


2 TOEICのスコアとは英語力とTOEIC力の掛け算


TOEICの学習者の中には勘違いしてる方が多々いらっしゃいますが、

TOEICは英語の試験です。(そもそもTOEICはtest of English for international communicationの略です)


TOEICという何か特別の試験があるわけではなく、TOEICは別に皆さんが今まで受けてきた英語の試験(高校の定期テストやセンター試験など)と本質的に何か変わるわけではありません。

もちろんTOEIC向けの対策は不可欠ですが、土台の部分は「普通の英語の勉強」です。

英単語を覚え、英文法をマスターし、そしてたくさんリーディングや長文問題を解き、たくさん英語を聴いてリスニングの力を鍛える。

そこに関して言えば、別にTOEICも英検もセンター試験も勉強するべき事の9割は同じと言えます。

特にTOEICのスコアが600点未満くらいの方に関しては「TOEICの勉強」が足りないのではなく、ただ単に英語の基礎的な能力が欠如している場合がほとんどですから、「急がば回れ」で中高レベルの基礎的な単語や英文法の知識を身に付けることを最優先にしてください。(感覚ですが、800点くらいまでは英語力9割、TOEIC力1割、800点から先は英語力8割、TOEIC力2割くらいでしょうか。)

その際に重要なのは、TOEICというよりむしろ中学や高校の受験参考書です。

またどうしてもそういった参考書に抵抗がある方は濱崎潤之輔先生の以下の本がオススメです。

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この本はTOEICレベルに絞って中高の英文法の復習ができる本です。

私も一読しましたが、説明そのものも素晴らしいですが、レイアウトやパッと見が非常にとっつきやすいのもおすすめする理由の一つです。

特に勉強が苦手な人にとって、「感覚的に見やすい」というのは非常に大切な要素ですから。


これでもちょっと難しいという人は、関先生の以下の本でもいいかもしれません。

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この本は中学レベルでつまずいてる人でも読破できる優れものです。

英文法と言えば「丸暗記」と誤解してる人もいますが、この本を読めば、丸暗記するべきことなどほとんどなく、しっかりと英文法を理解して覚えれば圧倒的に英語の学習が進むことが肌感覚でわかると思います。


この本は素晴らしいので、「TOEICじゃないじゃん」などと言わずに一読することをオススメします。

本当に英語ができない方であれば、まず最初に関先生の本を読み、次に濱崎先生の本に進むのがいいかもしれません。

どちらが良いとかではなく、どちらもそれぞれに優れている本です。

それから単語に関してお話をしたいと思います。

単語に関しては、日本の大学受験向けに覚えるべき単語とTOEICによく出る単語の傾向は少し異なりますから、単語に関してはある程度TOEIC向けのものを初期段階から使ったほうがいいでしょう。

ただし、「異なる」と言っても、ベースの部分はほとんど一緒ですから、「違い」をあまり強調しすぎるのも良くないと思っています。

increase,fat,tendency,recommend,insist,deny, influence,depend,mention,argueといった高校初級中級語は当然TOEICでも頻出語であります。(ただ、大学受験の難関レベルや英検一級レベルの単語とTOEICの上級語はかなり差があります。)

単語のオススメ本としては、以下のものが挙げられます。

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これはTOEICの専門家である著者が、毎回TOEICを受験して本当に出る単語を集めたものです。

最近改定されてさらに中身が洗練されました。

ただ、

単語に関しては、受験生のレベルにもよるのですが、あまり単語帳で覚えるというのはオススメできません


基本的に人間の脳は丸暗記が苦手にできていますし、

TOEICの公式問題集などを勉強してる時に出てきたわからない単語を文書ごと覚えてしまう方が圧倒的に頭に残りやすい

ですから、まずは公式問題集や模試問題集などで英語そのものに触れる中で自然と単語も頭にインプットしてしまうのが理想です。

では単語帳に意味がないのか?

そうではないのです。

公式問題集などである程度文脈で単語を覚えた上で、「最後の整理」に『金のフレーズ』などの単語帳を用いればいいのです。


全然英語が苦手なのに単語帳で前から苦行のように単語を覚えていくという使い方をしてしまっては、完全に本末転倒です。

そもそも高校の定期テストや単語テストのように英単語の意味を直接問われるという事は、英会話でも大学受験でもTOEICでもまずありません。

part7の語彙問題と言われてる問題も、もちろん原則としては下線部の単語の意味を知っておくべきですが、あくまでも「文脈上どういう意味か」を問うてるわけですから、ただ機械的に意味を知っていれば解けるわけではありません。

これはTOEICに限らず試験勉強の鉄則ですが、「試験で必要な知識は試験に出る形で覚えるべし」


が真理です。

私は大学受験時代に圧倒的に大量の長文を読み込み、そこで出てきたわからない単語を一つ一つ覚えていった結果、最後に単語帳で整理するときに『ターゲット』も『速読英単語上級編』も95%は知っている単語でしたし、このやり方で京大模試で総合4位、偏差値は80を超えていました。

単語だけを単語帳で覚えるのはよほど暗記力に自信がある人以外はやめたほうがいいと思います。(ただ、これも指導者によっていろいろな人がいて、単語帳で覚えていくことも絶対にダメだとも私は思いませんけど。あまりおすすめじゃないだけで。究極的には個人の相性かな、と思います)

ここから先はTOEIC対策のお話ですが、基本的に「普通に英語ができれば」TOEICで900点は切りませんし、TOEIC業界がやや「技巧的」になっていることについて非常に危惧を持っています。

「こういったタイプの問題が出る」といった勉強法が全く無駄とは言いませんが、あくまでもそういった勉強は「勉強の幹」ではありません。

これは大学受験の受験生も勘違いしてることかもしれませんが、英語にせよ数学にせよ、「問題形式」や「問題傾向」はあくまで「表層」であり、より根本的な部分は各科目の本質的な理解です。(「では本質的な理解とは何か?」とつっこまれるかもしれませんが、それについて書こうとするともはや本が2冊は書けるので、ここでは詳述することはできませんが、また機会があれば書きたいと思います)

数学などが典型ですが、多くの受験生は問題を表面的に見て判断をしようとしますが、これがそもそもの間違いです。

その問題の背後にある根本原理に気づかないといけません。

「こういうタイプの問題が出る」という勉強法は医学で例えると「対症療法」であり、根本的な治療ではありません。

上でも申し上げましたが、私はTOEICの専門家ではありませんし、現職の英語の先生でもないですから、正直TOEICの最新傾向等について偉そうに論じる資格はないのですが、それでもなぜ少しばかり偉そうにTOEICについて語ることができるかというと、結局

「TOEIC対策の9割は普通の英語の学習」

だからです。

私は普通に英語を学習して英検1級を取りましたし、TOEFLでも110点近く取れました。

私は正直、公式問題集を一通りやった位でTOEICの最新傾向など全く知りませんが、それでも満点近いスコアが取れるわけですから、やはり勉強の方向性としては間違っていないと思います。

まずは圧倒的な英語力を身に付けるのが大前提です。


しかし、そうは言っても直前期に20点でも30点でもスコアはあげたい受験生の気持ちも分かります。

特に英語力という以前に、転職や昇進などで「スコア」という形がどうしても必要な人もいるでしょう。

最近では身近なところで、大学の進級にTOEICのスコアが用いられる大学もあるそうです。

そういった状況において、「TOEIC600点が進級条件」だとしたら、595点ではアウトなわけで、そういったギリギリのとこで勝負してる方に「いや、スコアじゃなくて英語力を」などと言っても戯言なのは私もわかっています。

例えば大学受験でも、国立医学部志望等でひたすらセンター模試を解きまくって何とかセンター試験の点数を上げている受験生がいますが、これも付け焼き刃のTOEIC対策と同じで、「実力養成という観点では意味がない」のですが、しかし、どうしても医者になるためのプロセスとしてセンター試験の点数が必要である以上、「そんな勉強無駄だよ」などと教師が言う資格はありません。

TOEICも全く一緒でしょう。

ですから大切なのは、状況にもよりますが、

「TOEICは英語力とTOEIC力の掛け算である」


という当たり前のことを理解することです。

どちらか片方に偏っていては片手落ちです。
 
そしてTOEICプロパーの対策に関しては私は何も語るところがないので、あくまでもお勧めの勉強法を紹介するに留めますが、やはりTOEICをたくさん受験して毎回満点を取っているような先生をお勧めします。

キムデギュン先生、花田徹也先生、相澤俊幸先生、神崎正哉先生、濱崎潤之輔先生、ヒロ前田先生といった先生が有名ですよね。(ただし、私もこういった先生が有名であることぐらいは知っていますが、個々人がどういった特徴を持っているかといった、本当にマニアックなTOEICの各論的な話は分かりませんから、そこは皆さんの判断に任せますが)

3 英文法の学び方


次にもう少し各論的のお話をしていきましょう。

英文法の学び方についてです。

英文法と言うと、とかく日本人が英語につまずく元凶かのように悪玉扱いされますが、一定以上の年齢に達した人間が英語を学ぼうと思ったら、やはり英文法という「英語のルール」について知る必要があります。

これらについては「クリティカルピリオド」といった専門的な研究がなされていますから、ご興味がある方は検索してみて下さい。

(ただ、TOEIC対策という意味ではあまり有益ではないと思いますけど)

我々普通の日本人は確かに日本語の文法について全く知識がないでしょうが、基本的には日本語文法に沿って日本語を話しています。

これについて非常に誤解してる日本人は多いと思います。

言語レベルで文法を理解しているというのと、文法が暗黙知のレベルになってるという違いがあるだけで、ネイティブもノンネイティヴも文法に沿って話してるという意味では、やはり文法は絶対に必須なのです。


ただし、言語というのは「先に文法があってそれに沿って話している」のではなく、あくまでみんなが喋っている法則をある種公式のように整理したのが文法ですから、超上級者向けには「英文法は完全ではない」と間違いなく言えるのですが、それはTOEIC対策云々というレベルをはるかに超えますから、ここではこれ以上深入りしません。(と言いながらちょっとおまけの話ですが、先に文法があるわけではなくみんなが話してる言葉を法則化したのが文法なわけですが、文法がない状態でみんなてんでバラバラに喋っていたらそもそも法則化などできないわけですから、「卵が先か鶏が先か」の「循環構造」になっていて冷静に考えてみるとよくわからないんですけどね。ルソーやチョムスキーなど興味がある人は読んでみて下さい。全くTOEICに関係のない話をしてしまいましたが。笑)

話を元に戻しますが、とにかくネイティブもノンネイティヴにも文法が重要であることは皆さんも分かったと思います。

ネイティブとノンネイティヴの「文法の身に付け方のプロセス」が違うだけで、どちらも根本では文法が必要であるというお話はわかったでしょう。(前者は理屈ではなくトライ&エラーで、後者は理屈で理解してるというだけです)

そして具体的な英文法の身に付け方ですが、やはり

大切なのは「理解すること」と「丸暗記すること」をしっかり区別するということ

です。

これはあらゆる勉強に当てはまる話ですが、勉強には思考や理解と暗記のどちらも必要不可欠で、どちらかだけを強調した方法論は絶対に間違いです。

なぜか世間には「歴史を理解する」、「数学は暗記だ」といった言説が根強いですが、それはおそらく「歴史は暗記するもの」、「数学は考えるもの」といった前提があるからです。

要は「アンチテーゼ」、「逆張り」として「歴史を理解する」や、「数学は暗記だ」と言っているわけですが、私から言わせると、理解と暗記は車の両輪です。

「数学は考えるもの」と言っても「y=4X3乗を微分せよ」というレベルでいくら考えても全く時間の無駄です。

こういった最低限の公式や「定石」に関しては理解しつつ覚えるほかありません。

逆に、英文法や歴史、生物のようにある程度「暗記物」と言われてる分野ですら、背景や因果関係を理解したほうが圧倒的に覚えやすいですから、理解は絶対に不可欠です。

ここを「二者択一」的に考える必要は全くありませんし、無駄に議論を矮小化させているとしか思えません。

ちょっと話が飛躍しましたが、大切なのは英文法に関しても理解する分野と暗記する分野に関してはしっかりと線を引くべきです。

例えば、五文型、時制、仮定法、準動詞といった分野は正確に理解をするべきです。

しかし、例えば助動詞の熟語的な部分や比較などではもちろん理解できる部分は理解するべきですが、どうしても丸暗記せざるを得ないことも出てくると思います。

そこに関してはツベコベ言わずに暗記するべきです。

この点、一般的に有名では無いですが、田上先生のこの本は英文法を深く理解するという意味で非常にお勧めです。

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この先生が良いところは、「辞書に他動詞と書いてあるものが他動詞です」という一見ふざけたようで実は本質的な解説をしている点です。

この本では随所に「他の本ではこの文法事項を理解させようと意味不明な説明をしていますが、ここは理解することなど不可能です。しっかりと覚えましょう」というフレーズが出てきます。

やはりある程度の暗記は語学に不可欠ですから、私は間違っていないと思います。

三流の高校の教員のように「ここは暗記してください」を連発する教師も論外ですが、だからといって無理をして理解させるのもやはりバランスが悪すぎます。

やはり

大切なのは理解と暗記のバランス

でしょう。

それからTOEICに関して言うと

一見文法が必要なパートはpart5だけのように見えるかもしれませんが、リスニング・リーディングを問わず、英文法は英語学習の要


です。

直接的に文法知識が問われていないように見えるpart7やリスニングですら、その根底にあるのは英文法の知識です。

というか、もはや「知識」というレベルではなく暗黙知(言語化されない感覚、みたいな意味合いです。cf カール・ポランニー)のレベルで文法が体に染み込んでいないとリスニングやリーディングの長文問題では全く時間不足になります。

ただし、誤解していただきたくないのは、最終的には暗黙知のレベルで文法が体に染み込む必要がありますが、そのためにはまず頭で理解する必要がありますから、「段階」は正確に把握するべきでしょう。

例えば数学にしても、中学レベルの「マイナスとマイナスをかけたらプラスになる」といったルールも微分やベクトルの基本的なルールも、まず最初で頭で理解する必要がありますが、それが自動化してくると今度はそれが感覚に変わります。

まさかセンター試験を受けている最中に「マイナスとマイナスをかけたらからプラスになる」というルールを言語的に意識している人は一人もいないでしょう。

しかし、中学校1年生で初めてこのルールを習った時はかなり意識して練習を重ねたはずです。

中学1年生以降、3万回くらい「マイナスとマイナスをかけたらプラスになる」計算をこなしているから「知識が自動化」されるのです。

これが体に染み込むプロセスです。

幼少期から外国にいない限り、外国語の文法が自然と体に染み込むことなどありません。

まずは頭で理解した上でそれが反復に反復を重ねた結果体に染み込んでくるだけです。

そのプロセスや因果関係を誤解しないことが大切です。

次に英文法を理解する上で大切な視点をお教えしましょう。

実は英文法には「読んだり聞いたりするための英文法」と「書いたり話したりするために必要な英文法」の2種類があります。(この2つは当然ベン図を書けばかなりの程度重なるわけですが、完全に一致するわけではありません)

当たり前ですが、前者の方が範囲が狭く、後者の方が圧倒的に範囲が広くなります。

日本語でも「読める漢字」と「書ける漢字」の範囲には差があるわけです。

範疇、薔薇、憂鬱といった漢字を書ける人はなかなかいないでしょうが、皆さんのほとんどの方は読めるのではないでしょうか?

それと似たようなものです。

単語に関しても、TOEICや私大入試では原則としてライティングはないわけですから、意味さえわかればいいわけです。
勉強で大切なのは「本当に大切なこと」にまずは学習対象を絞ることです。


「発音できたほうがいいじゃないか」、「スペルもかけたほうがいいじゃないか」、「語法も知ってたほうがいいんじゃないか」というのは「コストパフォーマンス」を無視した議論です。

「できたほうがいい」ことと「できなきゃだめ」なことは全然違います。


ですから、

英語の初心者に関しては、「最初の一歩としては」単語の「意味だけ」覚えたり、「読んだり聞いたりするための英文法」に集中する必要があります。


具体例を挙げますが、冠詞や前置詞は「とりあえず英語を読む(聴く)」という意味ではあまり気を使うべきところではありませんが、自分から英語を発信する際(話したり書いたりする)には非常に大切な文法事項です。

それから、動詞の後に不定詞が来るか動名詞が来るか、なども英語を読んだり聞いたりする際に特に重要ではありません。(cf mindの後にはingが来る、とか。別に見たら mind ingだろうが。mind to do だろうが意味の解釈には影響がないので。)

『ロイヤル英文法』などの英文法書を読んでいると英文法の世界はとてつもなく広い海のように感じますが、初級中級者がまずマスターするべき英文法事項はそこまで多くありません。

まず初級中級者がマスターするべきは、以下の文法事項のみで結構です。
五文型
時制
準動詞
関係詞
助動詞
比較


まずはこれだけに絞って徹底的に繰り返す必要があります。

逆に比較的後回しにして良いのは

仮定法
形容詞・副詞のマニアックな話(ex 叙述用法か否かとか)
助動詞や比較に出てくるイディオム

です。

これとちょっと関連する話ですが、よく英文法の世界では「英文法・語法」という用語が使われていますが、文法と語法は原理的には区別するべきです。(英語学の専門家に言わせるとこれらの区別は困難のようですが)

文法はジェネラルなルールですが、語法は極めて各論的です。


「この動詞の後には不定詞が来るか動名詞が来るか」
「historicとhistoricalの違い」
「manyは名詞を説明する(限定用法のみ)が、SVCのCにはならない、逆にawakeやaliveはCにしかならない(叙述用法のみ)」

etc

こういった極めて各論的な、悪く言えば重箱の隅をつつくような事項が語法ですから、初級者中級者に関してはまずは文法を重視するべきで、語法は原則後回しにするべきなのです。

原則的には文法と理解が、語法と暗記が対応しています。(もちろん例外もありますが)


そしてもう一つ英文法の学び方のコツですが、

あまり英文法書を読んで英文法の勉強をしようと思わないこと


です。

これは単語の所でも申し上げましたけども、基本的に試験対策の勉強というのは「試験に出る形」で知識をインプットするべきです。

例えば、高校生が世界史や日本史を勉強するにしても、国立大学の入試のために勉強するのと私立大学の入試のために勉強するのでは、勉強方法がかなり違ってきます。

それは最終的にアウトプットする形が違うからです。

普段の勉強から最終的にどのような形で知識をアウトプットするのかを意識しないといけません。


国公立大学向けに日本史を勉強するのであれば、国立大学の二次試験は問題が論述形式でしかも推論問題ですから、かなり正確に歴史の流れや因果関係を理解する必要がありますし、その私立大学のような細かい知識はいりません。

しかし、私立大学向けに世界史と日本史を勉強するのであれば、国立大学の最難関レベルの深い理解は不要で、暗記に必要な程度に流れを理解していれば十分です。

むしろその分細かい知識をひたすら覚える必要があります。

このように

同じ科目の勉強でも最終的なアウトプット(試験で求められるもの)により普段からの学習はかなり異なります。


話をTOEICに戻しますが、TOEICはどういった試験でしょうか?

・リスニングとリーディングだけ
・全問マークシート
・時間制限が割と厳しい

こういった特徴があるわけですから、ここから逆算して普段の英文法の勉強も行わないといけません。

これらの特徴から明らかなのは、まずTOEICではとりあえず書いたり話したりする必要はないということです。

そしてあまり難しい文法事項は問われていないという特徴もあります。

最後に、あまり難しくないものも圧倒的にスピードを上げてテキパキ解く必要があります。

文法を勉強する際も、こういったゴールから逆算する必要があると私は思っています。

つまり、

英文法書を読むのではなく、TOEICの問題を解きながら、わからないことがあれば『ロイヤル英文法』などの辞書的な本に立ち返るということです。


「さっき英文法の本を勧めていたじゃないか」と反論されそうですが、少し説明させてください。

全く英語ができない人が、いきなりTOEICの公式問題集が分かるはずがありません。

ですから、まったくの初心者・中級者がいきなりTOEICの公式問題集や模試問題集等に手をつけるのは不可能ですから、「とりあえず」文法の本を2,3回読む必要はあります。

ただ、おそらく2.3回読んだだけでは理解到達度としておそらく40%くらいだと思います。

では

その40%を90%レベルにもっていくのにどうしたら良いかというと、それは文法の本を読むのではなく問題を解くことなのです


TOEICの公式問題集等を解きながら文法の知識を高めていけばいいわけで、文法書を読むのが最良の方法ではないということです。

一般的に、どんな参考書でも実際の試験に必要な知識を遥かにオーバーしているのが実情です。

ですから、文法書の通読というのは全く無意味ではないですが、「対費用効果」という意味ではあまり効率が良くありません。

むしろ試験に実際に出題された知識を文法書で確認するような勉強法がベストかと思われます。


いくつか文法を学ぶ上で注意すべき点を列挙しましたが、とにかく英語学習において英文法はまずマスターズすべき壁です。

くじけそうになるかもしれませんが頑張って繰り返してマスターしてください。

そもそも外国語の学習は辛いもの


ここで「くじける」ということに関して一言お話をしたいのですが、そもそも外国語の習得というのは厳しいものです。

言語はその国の文化や価値観の反映である、とよく言われますが、英語であればイギリスやアメリカといった国の歴史や文化、価値観を反映しています。

つまり

外国語の学習というのは、大げさに言えば自分の国とは違う国の人間の思考様式や価値観を学ぶという事ですから、そんなに簡単なはずがありません。


英語学で「母語の干渉」というタームがありますが、われわれはどこまでいっても日本語の自爆から完全にフリーになる事はありません。

われわれは、好むと好まざるとによらず、日本語の発想でどうしても英語を話したり書いたりしてしまいます。

外国語の習得とは、日本語の呪縛からいくばくかフリーになる事であり、それは言葉で言うほど簡単なことではなく、辛いのは当たり前です。


ですからもしTOEICを学習していて辛いのであれば、「外国語の習得とは辛いもの、辛いからこそ価値がある」と発想の転換をすることが大切です。

TOEICの勉強をしていて辛いと思ったら、「なぜ自分は今そもそもTOEICの勉強をしてるのだろうか」と自問自答することです。

当たり前ですが皆さんも何かしら必要があってTOEICの勉強をしているのでしょうが、結局学習の意欲はモチベーションの強さに完全に比例しています。

もし皆さんがTOEICの勉強に本気になれないとしたら、それはそもそものモチベーションが低いからです。


みもふたもないですが、別に私はそういった形は無理してTOEICの勉強なんてしなくたっていいと思っています。

ちょっとTOEICの話とはズレるかもしれませんが、そもそも人生は有限です。

有限の人生で、果たして自分はTOEICや英語に時間を使う必要があるのか?
これは再度問うべきでしょう。


「できないよりできたほうがいい」のは当たり前ですが、外国語の習得にはとてつもない労力がいるわけですから、かけた時間に対して意味がある営みなのか、は考えるべきです。

TOEICに関して様々なアドバイスをしてきましたが、またこの続きについていくつかお話をしたいと思います。

今日はこれぐらいにしましょう。

みなさま、拙文を読んでいただいてありがとうございました。