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「よく生きる」

自称辣腕経営者が人間や社会について淡々と語ります。代官山と港区海岸のタワマンに住んでいます。京大法学部在学中には有名予備校で講師をしていたので、外国語や教育について特に関心があります。

遺伝、自由etc

科学の進歩とは恐ろしいもので、人間のあらゆる能力や性質はかなりの程度遺伝で決まっている事が明らかになってきました。

身長や顔が遺伝であることは自明ですが、仕事能力や学業のように「努力で何とかなる」ように見えるファクターですら「努力できるかどうかが既に遺伝で決まっている」という身もふたもない事実が明らかになってきています。

またリベットの実験などで、人間には自由意志がないことが明らかになってきました。

自然科学のレベルで考えると、すべては物理法則の世界で動いており、神経細胞やシナプスといった次元に分解していくと、人間の完全なる自由意志など幻想であるとわかります。

この遺伝と自由意志の話は全く無関係の話に見えますが、「人間は自分が思っているほど自由ではない」という不都合な真実を摘示したという意味では通底しています。

われわれの人生はあらゆる意味で既に決まっているのです。

感情的にわれわれはその事実を拒みます。

しかし、発想を転換してみると、別にあらゆることが既に決まていること自体悪いことなのでしょうか?

未来は既に決まっていてそれをなぞることはつまらないことなのでしょうか?

その前提がちょっとしたら間違ってるかもしれません。

神の視点では、実は人生で起きることが決まっていたとしても、幸か不幸か私たちにはそれはわかりません。

そしてあらゆることが決まっていても、それによって必ずしも人生の喜びが軽減されるということもないと思います。

遺伝や自由意志の研究が進んで、人間が自由じゃないことが明らかなり、そのことを感情的に否定したがる人がいますが、別に否定する必要などありません。

人間は元から自由ではないのですから。

自由ではない人生の日常にささやかな幸福感があれば(それとて幻想なのかもしれませんが)、それで十分なのではないでしょうか。